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さいたまの妖怪・川越の一つ目小僧

埼玉の妖怪伝説・川越の一つ目小僧

埼玉県川越市に残る伝説です。

笠幡の中央を流れる小畔(こあぜ)川。

この川のほとりに、深夜になるとあやしいまでに美しい女があらわれ、若者を誘うといううわさがありました。

ある日、吉田山の善空という、村人からたいそう慕われているお坊さんが小畔川の近くを歩いていると、「ゼンクウ…ゼンクウ…」と薄気味悪い女の声が聞こえてきました。

後ろを振り返っても、誰もいません。

風のいたずらだろうと歩き出すと、ふたたび「ゼンクウ…ゼンクウ…」

「誰だ!」善空さんが振り返ると、見上げるばかりの大きな一つ目小僧が、まるで善空さんを一飲みにでもしてしまうかのような口から真っ赤な舌を出して笑っています。

腰も抜かさんばかりに驚いた善空さんは一目散に寺へ逃げ帰りました。

しかし、仏門につかえている身でありながら妖怪変化に驚いた自分をいましめ、一つ目小僧の出た小畔川へひきかえしました。

そして、人を驚かしていた一つ目小僧に大きな声で説教をして、小坂にある水天宮の中へ祀りこんでしまいました。

それ以来、あやしく美しい女も一つ目小僧も現れなくなったといいます。

 

 

この一つ目小僧、目的はただ人を驚かすのが面白かったのか、それとも何かほかに目的があったのか?今となっては全くわかりません。

川越に言い伝えられている妖怪伝説は、他にもまだまだあります。

それはまた別の機会に…(⌒∇⌒)